| ケニーが貫禄を見せつけ優勝! |
 |
このレースは、UCIでは最も低いカテゴリーである2という位置付けのレースである。その為、参加チームは我がチームのみがコンチネンタルプロで、他はすべてコンチネンタルチームという構成であった。ただその中には、ラボバンクのコンチネンタルも含まれていて、侮れない存在である。
典型的なオランダのレースで、もちろん上りはなく、真平らのコースである。しかし、このレース特有の「ダイク」と呼ばれる日本でたとえるなら、道幅の狭い「堤防」のようなものが多く存在し、常に集団を一列棒状にさせる。コース途中には、海に沿った「ダイク」も存在し、風が吹くと、もろに風を受けるため、選手を苦しめる。また、石畳に似た悪路が約10km続く区間があり、毎年落車などが発生し、集団が分裂する。今日も集団ゴールの様相なので、エースをケニー、またそのアシストに品川を任命した。
スタート早々、やはりいつものごとくスピードは上がりっぱなしだ。最初のエスケープに廣瀬が反応し、しばらく逃げ続けるが、まもなく吸収される。途中の町には、スプリントポイントが設定されていて、賞金が掛かっているために、集団はそのたびに加速していく。そして決まって町中は、道路が狭くテクニカルなので、危険が常に付きまとう。
そんな中、ジンとジーの2人の中国人がホイールの交換を要求してくる。どうやら集団の位置争いで、路肩にホイールをぶつけてしまいパンクをしたようだ。この辺りは、まだまだレース慣れしてないだけに不利である。しかし、彼らは交換後、冷静に集団を追い、なんとか復帰を果たす。
そして80km手前の悪路区間に突入する。その前に選手に無線で前に上がるように指示したために後方で走っている我が選手の姿は見えない。しかし、まもなくして、ラジオツールから「集団落車!」との無線が入る。私は、車を止めて、メカニックがホイールを持って現場に向かう。どうやらファン(シュー)が巻き込まれて、立ち往生している様子だ。なんと原因は路肩に大きな鉄骨が落ちていたことが原因だったようだ。
ファンは、ここで集団から脱落してしまった。この落車により集団は、縦に長く伸び脱落者が見え始める。その中に、ジーも含まれていた。序盤にホイールを交換したために、その無理がたたったのだろう。
その後、一旦は集団は一体化するも、半分を過ぎた辺りで、2人の選手が抜け出して行く。タイム差は2分から3分の間といったところで、集団もいつでも捕まえられる、といった状況である。ラスト30kmになり、集団も2人を射程距離に捕らえたころ、問題の「ダイク」で、またもや集団落車が発生する。ここでは、狩野、廣瀬、ジンの3名が巻き込まれ、ストップを余儀なくさせられる。スピードが上がって居た為に、ここで集団は4つに分裂する。ケニー、品川、アルバートの3名が第1集団に残るのみで、他の選手は第3集団以降になってしまった。
まもなくして、集団はスタートの町であるZaandamに戻ってきた。このメイン集団に残るは、先ほどの3名のみだが、なんとかケニーのスプリントの為に集団をまとめなければならない。品川とアルバートが、他のチームのアタックに反応し、つぶしに掛かる。
そしてラスト2km、逃げようとする選手もすべて吸収し、大集団のゴールスプリントとなる。ここでケニーは、ラボバンクの列車の後ろに位置取ることに成功する。そしてラスト300mでケニーがスプリント。その勢いは止まることなくゴールラインまで届き、見事に優勝!チームメイトが3人という不利な状況で、コンチネンタルプロチームとしての貫禄を、彼のプロ入り初勝利で見せてくれた。彼は、3月の「クールネ・ブラッセル・クールネUCI 1-HC」での6位以来不調だった為に、これで復活の流れを作ったに違いないだろう。
【結果】 1 Kenny Van Hummel (Ned) Skil - Shimano 4.53.01 (43.533 km/h) 2 Bobbie Traksel (Ned) Palmans Collstrop 3 Wim Stroetinga (Ned) Ubbink - Syntec Cycling Team 17 Masahiro Shinagawa (Jpn) Skil - Shimano 63 Albert Timmer (Ned) Skil - Shimano DNF Tomoya Kano (Jpn) Skil-Shimano DNF Yoshimasa Hirose (Jpn) Skil-Shimano DNF Jin Long (Chn) Skil-Shimano DNF Xu Fang (Chn) Skil-Shimano DNF Ji Chen (Chn) Skil-Shimano
|
|
|
| レース後、優勝したケニー(中央)を囲むメンバーたち。 |
 |
|
|
|
 |
|
|